時代を超えるデザイン
今回、リフォームをされたお家のリビングダイニングの照明を納品させていただきました。
塩田家具でおススメの「多灯使い」を体現された理想的な照明配置ではないかと思います。
こちらが全体の雰囲気です。
木の優しい雰囲気にブルーのファブリックがとても映えているように感じました。
ソファのブルーが空間を引き締めてくれているようにも感じます。
今回選んでいただいた照明の4つのうち3つが、図らずしも同じデザイナーさんになりました。
Vilhelm Lauritzen（ヴィルヘルム・ラウリッツェン） （1894-1984）
世界的な建築家でありデザイナーで、「モダニズムの父」とも言われています。
ラジオハウス（コペンハーゲン）
デンマーク大使館（ワシントン）
コンサートホール ヴェガ（デンマーク）
デールス・デパート（コペンハーゲン）
コペンハーゲン空港のターミナル39（コペンハーゲン）
様々な建物の設計をしており近代建築の発展に大きな影響を与えました。
日本と違い北欧では「建築」と「インテリア」は同じくらい重要視されていて、建物に合わせてインテリアもデザインされる事が多いです。
Louis Poulsen VL45 ラジオハウスペンダント Φ250
VL45ラジオハウスペンダントはその名の通りデンマークの放送局の「ラジオハウス（1945）」の建築の際にデザインされました。
VL45は1945年にデザインされて発売されましたが、実はすぐに廃盤になりました。
そして長い年月が経ち2016年に復刻されました。
シンプルで丸みのあるフォルムで可愛らしい印象です。
ガラスは一つずつ職人さんの手作りです。
3層の吹きガラスで形成されていて、電球の光を柔らかく広げてくれます。
照明の吊り元は無塗装の真鍮なので、経年変化を楽しめるのも魅力の一つです。
2400㎜の天井高で床から1800㎜の位置に照明の下端が来るようにコード長さを調整しました。
コードの長さを最大限伸ばしながら、照明の下も人が行き来できる絶妙な高さです。
Louis Poulsen VL38 フロアライト
VL38も同じくラウリッツェンがラジオハウスの設計に合わせてデザインした照明です。
テーブルライトが先にデザインされて、それを元にフロアランプがデザインされました。
洋ナシ形のシェードがなんとも可愛らしいデザインです。
フレームの無塗装の真鍮とシェードの白の組み合わせもとても綺麗です。
ピンポイントで照らす事ができるので、ソファに座りながら本を読んだり、作業したりするのに最適な照明です。
VLステュディオ
VL38も同様にラジオハウスと共に生まれた照明です。
デザイン当初はスタジオが放送中かどうかを赤と緑のランプで外に知らせるウォールランプとして使われていました。
発売自体は2022年と割と最近です。
ウォールランプを現代的に解釈されて復刻されました。
とてもシンプルなデザインで空間のなじみに優れている照明です。
足元に灯を設けることで、空間に奥行が生まれる効果も与えてくれます。
また3つの照明に共通している素材「真鍮」は単体で見ると、木の雰囲気と合わないのではないかと思われる方が多いと思います。
実はそんなこともなく、明るい色味の木とは同系色になるので、色味の相性がとても良いです。
日本の住宅はどうしても木が多くなってしまうので、真鍮・ガラスなどの異素材を入れる事で空間にメリハリを出してくれます。
なので、意外と真鍮は日本の住宅には合わせやすい素材だと考えております。
パンテラ250ポータブル
パンテラはデンマークのデザイナーのヴァーナーパントンが1971年にデザインした照明です。
塩田家具でも大人気の照明です。
アイコニックな見た目と、乳白アクリルを通して放たれる優しい灯が魅力的な照明です。
バッテリー充電式で置く場所を選ばないので、使い勝手の良いのも魅力です。
有線タイプもありますが、圧倒的にポータブルタイプの方が人気です。
今回選んでいただいた照明は世界的なデザイナーが手掛けた作品です。
いずれも古いもので1938年（VL38）86年前
新しいものでも1971年（パンテラ）53年前
商品飽和時代の現代では様々な商品が生まれては消えていっています。
その中で半世紀以上も残り続けているのは物凄い事だと感じますし、多くの方から愛され続けた証拠だと思います。
「Louis Poulsen」の照明を購入する事は、ひとえに照明を手に入れる事に留まらず、価値あるデザインを次の世代まで継承していく事でもあると思います。
最近の納品事例は何だかポエミーになってしまうな～と思ったところで今回の納品事例を終えたいと思います。
心地の良い空間には照明はとても大事です。
是非、参考にしてみてください。
ギターとの組み合わせが何ともロックです。
良い写真なので参考までに。
