ペンダントライトをつけるメリット
「ペンダントライトって何でつけるんだろう?」
普段照明のご案内をしているのですが、ふと改めて考えてみました。
塩田家具では「ルイスポールセン」の照明を主に扱っています。
ルイスポールセンの照明は、デザイン性、歴史、機能美など選ばれる理由が多くあります。
今回はルイスポールセンうんぬんではなく
「ペンダントライトを吊るすメリットは何なのか?」
について語っていきます。
Contents
照明の明るさについて
照明の用途は「明るさ」の確保です。
照明器具によって光のひろがり方は変わってきます。
大きく分けると3つです。
①特定の場所を照らす
「タスクライト」
食事をしたり、本を読んだり、作業をしたり、人の活動する範囲を照らす照明
②お部屋を全体的に照らす
「アンビエントライト」
写真の照明のように、全体方向(特に上方向)に明かりを放つ照明
①と②の性質を持つ
「タスク・アンビエントライト」
割と「アンビエントライト」と同じくくりで考えられる事が多いのですが、全方向に明かりをひろげながら、下方向にも明かりを放つ照明
基本的にはこの3つの照明のバランスを保ちながら照明計画を進める事で心地の良い空間が生まれます。
光の特性を理解する
光には
「ルーメン(光束)」
「ルクス(照度)」
「カンデラ(輝度)」
という単位があります。
簡単に言うと
「ルーメン」=光の強さ(照明器具の明かりの強さ)
「ルクス」 =光がどれだけ当たっているか(テーブル面の明るさ)
という感じの認識で良いと思います。
(カンデラは今回はあまり意識しなくても良いかもしれません)
重要なことは
「照度は光束までの距離に依存する」ことです。
大層な言い方をしましたが、要は
照明器具が遠いとテーブルが暗くなってしまうという事です。
ルイスポールセンで人気の照明「PH5」で明るさの実験をしてみました
「距離」と「明るさ」の実験を実験をしてみました。
照明:PH5
白熱電球100ワット相当の電球
(約1500ルーメン)
①テーブルから照明器具の下まで60㎝
真下:656ルクス
真下から20㎝ズレた所(実際の食事する範囲を想定して):371ルクス
②照明器具の下まで70㎝
真下:466ルクス
真下から20㎝ズレた所(実際の食事する範囲を想定して):296ルクス
③照明器具の下まで80㎝
真下:359ルクス
真下から〇㎝ズレた所(実際の食事する範囲を想定して):246ルクス
またJISの規約でダイニングテーブル上は300luxが推奨照度なので
PH5の場合は60~70㎝までがオススメという事が分かります。
机の照度に関しては照明や電球の種類によって変わります。
参考程度にお考えいただければと思います。
ダウンライトの場合の明るさは?
現在の日本の住宅では恐らくペンダントライトより、ダウンライトを採用されているお家って多いですよね。
ダイニングテーブルの上の照明も、ペンダントライトではなくて、ダウンライトを使っているお家も多いと思います。
そこで、ダウンライトでも照度を測ってみました。
ダウンライト
φ100㎜ 100系相当
お店の天井が295㎝あるので
一般的な住宅の天井高さ(240㎝)
テーブル高さ(70㎝)を想定して
床から125㎝時点で測定
真下:246ルクス
ダイニングテーブルとしては照度が低いことが分かります。
ダウンライト1つだけという事もあるので、実際の住宅とは異なる条件という事で認識いただければと思います。
ダウンライトにも色々種類があるので、ダイニングテーブルの上にダウンライトを設置したい場合はご注意ください。
PH5のような眩しくないペンダントライトを選ぶ
距離と明るさの関係では、ダイニングテーブルの上にはペンダントライトがオススメという事が分かっていただいたかもしれません。
しかし、照明を選ぶ上で照度と同じくらい「眩しさ」にも注意しなければなりません。
ここで言う「眩しさ」とは「光源(電球)」の見えにくさという事です。
例えば写真のような照明は、電球が丸見えでとても眩しいです。
しかし、写真のようなタスクライトですと座った状態では光源は見えません。
(もちろん覗き込むと見えます)
ですので、ダイニングテーブルの上がペンダントライトが適していると言えど、どんなペンダントライトでも良い訳ではありません。
ちなみにダウンライトは高い位置から照らすので、光源が丸見えになってしまう場合が多いです。
そういう意味でもダイニングテーブルの上にはダウンライトではなく、ペンダントライトが適していると言えます。
光源が全く見えないペンダントライトがいいのでは?
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
いわゆる最初の方に説明した「アンビエントライト」です。
写真の照明はルイスポールセンの「モザー」という照明です。
完全なアンビエントライトで、光源も全く見えません。
しかし、完全に見えないとなると、ダイニングテーブルの上に付けたとしてもテーブルの照度が不足していまうのです。
ですので、あくまでも光源が「見えにくい」タスクライトがダイニングテーブルの上には適しています。
タスク&アンビエントのペンダントライトにも注意
ダイニングテーブルの上は「タスク&アンビエント」の照明も一般的には適しているとされています。
例えば、写真は「PH32/1-3」という照明です。
シェードの下も空いていて、ダイニングテーブルとしっかりと照らしていて、
乳白ガラスのおかげで、全体的にも優しい光が広がります。
しかし、注意すべきはテーブルから60㎝の位置に照明を吊るした時に、照明から目までの距離が近くなることです。
昼間の周りが明るい時はあまり感じないのですが、夜になって周りが暗くなると「タスク&アンビエント」の照明だと、少し眩しく感じられる方も中にはいらっしゃいます。
しかし、明るさは個人によって感じ方が違います。
ですので、意見は分かれるポイントだと思います。
また、恐らくお店等で照明を選ばれる時間帯は日中の明るい時だと思います。
ですので、明るい時に「タスク&アンビエント」の照明を選ばれる際はご注意ください。
ペンダントライトの明るさについてのまとめ
以上お話してきましたがまとめると以下です。
①「アンビエントライト」「タスクライト」「タスク&アンビエント」の特性を理解する
②テーブルから照明の距離は60~70㎝がオススメ
③眩しくない照明器具を選ぶ
④完全に光源が見えない照明はダイニングテーブルの上には適さない
⑤タスク&アンビエントの照明には注意
ここまで大いに語りましたが、大前提で
「見なきゃあんまり、わかんない」
が付きまといます。
実物を見ながら、さらなる照明選びのポイントをお伝えしますので、是非塩田家具にお越しください。