オンライン
ショップ

「CH36(カールハンセン)」について |ハンス・J・ウェグナーが「シェーカー」から着想を得た椅子

CH36ってどんな椅子?

CH36は1962年に、椅子の巨匠であるデンマークのデザイナー「ハンス・J・ウェグナー」によってデザインされました。
シェーカースタイルというシリーズの一つとして誕生した椅子です。

 

シェーカーとは?

「シェーカー」とは、18世紀後半から20世紀前半にかけて、アメリカ北東部で活動していたキリスト教プロテスタントの一派の人々のことを指します。彼らが教会などで使っていた椅子を「シェーカーチェア」と総称します。


清貧と共同生活を大切にしながらも、近代的な技術や新しい文化を拒むことはなく、創意工夫にあふれた道具や家具、建築を数多く生み出した人々でした。

ウェグナーも、そうした質実剛健で美しい文化に着想を得て、7脚の椅子を「シェーカースタイル」として世に送り出しました。

シェーカーチェアの特徴

シェーカー教徒は、使わないときに椅子を壁に掛け、掃除がしやすいように工夫していました。そのため、背もたれ部分は「梯子」のようなデザインになっているのが特徴です。

別のチェアですが、こんな感じで壁にかけていました。

CH36もまた、その精神を受け継いでいます。
特徴的な梯子のようなデザインを取り込みながら、背もたれの板は人の背中をやさしく支えるように柔らかな曲線を描いています

 

 

座面のペーパーコード

CH36の大きな特徴といえば、座面に使われている「ペーパーコード」です。
ペーパーコードとは、蝋でコーティングした紙を撚って作られた素材のこと。北欧では昔から親しまれてきましたが、日本ではまだ馴染みが薄いかもしれません。それでも最近では、ペーパーコードを使った家具を見かける機会が増えてきています。

「紙」と聞くと頼りない印象を持つかもしれませんが、実際はとても丈夫です。
力いっぱい引っ張っても簡単には切れません。また、汚れにくく断熱性も高いため、座り心地も快適です。

実際に使われているペーパーコード

使用頻度にもよりますが、10~15年ほどで張替が必要になるといわれています。定期的にメンテナンスをしながら永く使う。まさに北欧家具の考え方を体現している素材といえるでしょう。
ちなみに、カール・ハンセン&サンの正規工場が日本にもあり、2025年9月現在で座面の張替費用は25,000円(税抜)ほどです。

 

CH24との違い

ウェグナーの代表作として知られる「CH24(Yチェア)」と、CH36はどこか雰囲気が似ています。ただ、CH24はアームが広がっているため、ダイニングテーブルにすっきり収まりません。その点、CH36はテーブルにしっかりと納まるので、間取りや使い方に応じて選び分けるのもおすすめです。

コーディネートのしやすさ

シンプルで癖がないCH36は、さまざまなダイニングテーブルとの相性も抜群です。
木の質感を生かしたテーブルにはもちろん、モダンなガラステーブルやスチール素材のテーブルとも自然に馴染みます。


まとめ

CH36は、一見するとシンプルで素朴な椅子ですが、その背景にはシェーカー文化やウェグナーのデザイン哲学が息づいています。
一つ一つ職人さんが丁寧に作り上げている、まさに一生もののダイニングチェアだと感じます。

1脚、1脚シリアルナンバーが付けられていてクラフトマンシップを感じます。

 

日常に溶け込みながら、長く寄り添ってくれる椅子です。

一覧に戻る