照らすだけではない照明
今回、ご新築のお家に照明を納品させていただきました。
照明一つで空間はガラッと変わります。
家具と同じくらい重要なインテリアです。
Louis Poulsen PH5 モノクローム・ホワイト
ダイニングの上にはPH5。
世界的にも有名なペンダントライトです。
お色は「モノクロームホワイト」
他の色味とは違いシェードやフレーム部分全てが真っ白です。
しかし、綺麗な光のグラデーションが広がりのおかげで、表情が豊かになります。
PH5は1958年世界的な照明デザイナーの「ポールヘニングセン」が64歳ごろにデザインしました。
ポールヘニングセンは1920年頃にデザインした「パリ・ランプ」をきっかけに30代前半あたりから照明デザイナーとして世界的な評価を受けていました。
そこから30年近く世界的な照明デザイナーとして活動してきた末の「PH5」はヘニングセンの凝縮した思考の末の作品なのではないかと思います。
名作と呼ばれるのも納得の逸品です。
以前、PH5の設置についてのポイントをまとめたものがあるのでチェックしてみてください。
ルイスポールセンのPH 5が暗いのは設置方法が間違っているから
Louis Poulsen トルボー155 ガラスペンダント
キッチンの上にはトルボー155ガラスペンダントを納品させいただきました。
トルボーの原案はポールヘニングセンが1966年にデザインした街路灯です。
それをリデザインして1982年に発表されました。
PH5に比べるとデザインがシンプルに感じます。
しかし、このシンプルこそがミソなのです。
今回の照明の取付位置はキッチンとその横のダイニングテーブルの上です。
トルボーがシンプルだからこそ、PH5が活きる!!
PH5が活きるからこそ、トルボーも活きる!!
とても素敵なデザインでも、同じようなデザインが並ぶと両方目立たなくなってしまいます。
この「メリハリ」こそがインテリアを輝かすためのポイントだと考えています。
Louis Poulsen フリントウォール Φ300
玄関横にはフリントウォールを納品させていただきました。
実は塩田家具には展示がないのですが、お写真等でご紹介させていただくと採用いただく事が多い照明です。(個人的に好きな照明なので説明に熱が入っているのかもしれません)
フリントウォールは2018年に「クリスチャン・フリント」によってデザインされた照明です。
1874年から歴史のあるルイスポールセンの中では比較的新しい照明です。
フォルム自体はシンプルな円形なのですが、「陰影のつき方」「光のグラデーション」こそがフリントウォールの特徴です。
光が後方と前方に分かれて放たれる事によって「三日月」のような陰影がはっきりの際立ちます。
また、前方のお皿の部分の絶妙なカーブのおかげで綺麗に広がる光のグラデーション。
明かりがついている事で初めてデザインとして完成する。
「光がデザインの一部」
そんなところに強い魅力を感じます。
照明についてふと考えるときに思う事があります。
照明は暗いところで明かりを確保するだけの道具にすぎないかもしれません。
しかし、考え抜かれたデザインの元に生まれた照明は道具という枠組みを飛び越えて、物理的な物を照らすだけではないと思います。
見ていて心癒される照明の光は「暮らし」やお客さんの「心」を照らしてくれるのではないかと感じています。
今回選んでいただいた照明が様々なものを照らし、お客様に癒しを与えてくれる事を願っています。
最後はちょっとポエミーになった所で今回の納品のご紹介を終えようと思います。
皆様の照明選びの参考になればと思います。