スーパー楕円テーブル 街の交通から、食卓の輪郭へ

四角でも丸でもない、食卓のかたち。
ダイニングテーブルを選ぶとき、長方形にするか、円形にするか。どちらが暮らしに合っているのか迷いませんか?
長方形のテーブルは、壁や部屋の形に合わせやすく、広い天板を確保できます。
一方、円形のテーブルには人が自然に向き合い、食卓を囲める良さがあります。
そのどちらとも違う、独特な形を持つのがフリッツ・ハンセンの「スーパー楕円テーブル」です。
一見すると、角を丸くした長方形のようにも見えます。しかし、この美しい曲線には、数学と都市計画から生まれた興味深い背景があるのです。
ストックホルムの街から生まれた曲線
スーパー楕円の物語は、1959年のスウェーデン、ストックホルムにさかのぼります。
当時、街の中心部では大規模な再開発が進められており、セルゲル広場の中心につくられる噴水と、その周囲を走る車の動線が検討されていました。
円形や通常の楕円形では、周囲の長方形の空間とうまく調和せず、車が滑らかに通行できる形にも課題がありました。
そこで相談を受けたのが、デンマークの数学者であり、詩人でもあったピート・ハインです。
彼が提案したのは、楕円と長方形の中間に位置するような「スーパー楕円」と呼ばれる曲線でした。
長方形のように直線に近い部分を持ちながら、角はなく全体が滑らかにつながっている、その形は数学的な規則に基づくもので、広場の設計に採用されました。
街の交通を考えるために用いられた形が、のちに家庭の食卓へと応用されたということです。
数学者と家具デザイナーの協働

この形をテーブルへと発展させたのが、ピート・ハインと、スウェーデンの家具デザイナー、ブルーノ・マテソンでした。
マテソンは、人が自然な姿勢で過ごすことを大切にし、家具の構造や座り心地を研究していたデザイナーです。
数学的な発想を持つハインと、家具の実用性や製作技術を熟知したマテソン。
異なる専門性を持つ二人の協働によって生まれたテーブルは、1968年からフリッツ・ハンセンによって製造されるようになりました。
天板の形はもちろん、それを支える細い金属製の脚にも、二人の工夫が表れています。
複数の細い金属棒で構成された「スパンレッグ」は、大きな天板を支えるための構造でありながら、見た目には驚くほど軽快です。
人が集まることを考えたかたち

スーパー楕円テーブルの魅力は、その形が実際の暮らしにもよく合うことです。
長方形のように天板を広く使える一方で、四隅には角がありません。
椅子を長辺に沿って並べることもできますし、緩やかなカーブに沿って少し角度をつけて座ることもできます。
家族で食事をするときも、友人を招いてテーブルを囲むときも、必要に応じて椅子の位置を変えられる。
人が向き合うことと、天板を使いやすくすること。その両方を考えた合理的な形だと思います。
毎日使う道具としての美しさ

スーパー楕円テーブルは、天板の素材にも特徴があります。
ラミネート仕様に採用されているFENIX NTMは、光の反射を抑えたマットな質感と、滑らかな手触りが魅力の素材です。
傷や日常的な汚れに比較的強く、普段のお手入れも難しくありません。
また、天板の外周に取り付けられたアルミ製のエッジは、輪郭を美しく際立たせるとともに、すっきりとした印象を与えています。
こうした素材の組み合わせによって、決して装飾的ではないのに、洗練された佇まいが生まれています。
暮らしの中心にあるテーブル

ダイニングテーブルは、一日のなかでも多くの時間をともにする家具です。
朝食をとったり、新聞や本を広げたり、仕事をしたり。夕食のあとにはそのまま家族で話し込むこともあるかもしれません。
必ずしも食事だけのために使われるわけではなく、さまざまな行為を行う、暮らしの中心のような存在です。
ぜひ、お部屋での過ごし方を想像しながら、ご自身の暮らしに合う一台をお選びください。