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CH46 カールハンセン

ウェグナーの椅子の中では数少ない直線的なデザイン

「CH46」は世界的デザイナー
ハンス・J・ウェグナーが1965年のデザインしたダイニングチェアです。

ウェグナーのチェアは「曲線的」で「軽快」なデザインが多いのですが

CH46は「直線的」で「重厚感」が特徴的なチェアです。
ウェグナーのチェアの中で一線を画している雰囲気が感じられます。

 

 

 

CH46 家具

「シェーカーチェア」からのインスピレーション

「シェーカーチェア」とは18世紀後半~20世紀前半までアメリカ北東部で活動していたキリスト教プロテスタントの一派の方々が教会などで使用されていたチェアを指します。

かれらは厳格で慎ましい生活を営んでいましたが、近代的な技術や新しい文化を拒否せず、創意工夫に富んだ道具や家具、建築などを作りだしていました。

 

 

ウェグナーはその慎ましくも質の高い文化から、シェーカーチェアの着想を得たのかもしれません。

現在発売されているシェーカーシリーズは7種類あります。
「直線的」なデザインは共通なのですが、
中でもCH46はより直線的な特徴が表れているチェアだと感じます。

CH46 ダイニングチェア

 

 

 

 

ゆったり座れる

CH46は他のウェグナーの他のチェアに比べ広く設計されています。

座面の前脚の間で48cmです。
ウェグナーの代表的なチェアCH24は42cmです。
比べてみても横幅が広い事が分かります。

CH46 CH24
左CH24(42cm) 右CH46(48cm)

 

 

 

一般的に前脚から肘かけまで伸びているタイプのダイニングチェアは
そうでない物と比べ窮屈になってしまいがちです。

しかし、CH46は幅が広く設計されているのでユッタリと座る事ができます。

 

 

 

 

 

デザインを比較してみて

「CH46は直線的で重厚感のあるチェア」と冒頭で話しましたが、
その特徴をウェグナーの代表作の「CH24」と比べて、違いを見てみます。

脚部

CH24
CH24
CH46 デザイン
CH46

 

脚のデザインは全体の雰囲気を左右する大きなパーツです。

CH24は先に向かうにつれて細くなる「テーパー加工」がされています。
CH46は前脚と後ろ脚、どちらも太さが一定です。
いわゆる「寸胴」のような形をしています。

CH24は脚のパーツを少し斜めにして取り付ける事で、曲線的で柔らかい印象を与えています。

CH46は後ろ脚が少し湾曲していますが、前脚に限っては垂直に取付られています。

「脚の形状」「取付の傾斜」を見ても大きな違いがあります。

 

 

 

CH24 比較
CH24
CH46 ダイニング
CH46

 

貫にも特徴があります。

これもCH24と比べると分かりやすいです。

CH24の前後の貫は円棒状になっていて、両サイドの接合部は細くテーパー加工がされています。
比べてCH46は板状で、テーパー加工はされておらず直線的です。

 

 

 

 

貫(左右)

CH24 比較
CH24
CH46 オーク
CH46

CH24は後ろ脚への接合部が太くなっています。
これはダイニングチェアは構造上後ろ脚の方が負担がかかりやすく、それのために後ろ脚の接合部が太くなっています。

CH46の貫は前後で太さは変わらず平行です。
更に、CH24より細い材料を使っています。

取付位置に大きな差があります。

CH46はCH24に比べ低い位置に貫が取付られています。
そのおかげで細い貫で構造を担保しています。

まとめると


CH24の貫は「前後左右でテーパー加工がされている」「取付位置が高い」
そのおかげで
「リズムがあり軽快」な印象

CH46は「貫のテーパー加工はなく直線的」「取付位置が低い」
そのおかげで
「直線的で重厚感」の特徴に繋がります。

 

 

 

背もたれ

CH46 オイル仕上げ

CH46は「はしご」のような特徴を持つ背もたれ。
はしごのような背もたれはシェーカーチェアによくみられるデザインです。
シェーカー教徒は椅子を使わない時は壁に掛けて、掃除がしやすいようにしていました。

シェーカーチェア
ちがうチェアですが壁掛けの様子です。

 

 

また、背もたれから伸びるひじ掛けも特徴的です。
接合部分は大きく面積を取ることで、強度を保っています。
ただ、全体が重たくなりすぎないように接合部以外は細くなっています。

CH46 シェーカーチェア

 

 

 

ひじ掛け

木工職人出身のウェグナーの「木」への理解が感じられる特徴があります。

CH46 シェーカー


本来木材は気温や湿度で伸びたり、縮んだりと動きのある材料です。
更に繊維の方向によっても動きやすい、動きにくい等の特徴もあります。

写真の部分は前脚と肘掛けを接合しています。
ここの部分は繊維の方向が垂直に交わる部分になります。
木材の特性状繊維が同じ方向であれば、同じように動きます。
垂直に交わると前脚とひじ掛けで異なる動きになってしまいます。

ですので、あえてこの部分はシームレスに繋げずに、動く事を前提にして溝を入れているのです。

文章にすると少し分かりずらいですね….。

気になる方は塩田家具にお越しください。
じっくりお話します!!

 

 

 

まとめ

さて、以上がCH46の特徴です。

色々と語りましたが私が思うにCH46は

「質実剛健なストロングスタイルのダイニングチェア」

だと思います。

 

今の好まれているインテリアは北欧やナチュラルなど「曲線的」かつ「軽快」だと感じます。

CH46はもちろん今のトレンドを抑えた北欧の要素がありながら、時代に左右されない「直線的」かつ「重厚感」です。

慎ましくも近代的だった「シェーカー」を色濃く表現したチェアではないかと思います。

 

実は筆者はCH24を一年程前に購入したのですが、購入したのはCH46と出会う前でした。
もし、CH46に先に出会っていたら、恐らくCH46を購入してたと思います。

ですので、CH46の商品ページは他の製品に比べて内容が濃いかもしれません。笑

 

CH46が気になる方は是非塩田家具までおこしください。

CH46 カール

仕様

サイズ
W550 D510 H790 SH440
デザイナー
ハンス・J・ウェグナー

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